イラストレーターの確定申告がギリギリだとダメ？リスクやペナルティを解説

本記事では、上記のようにお悩みの方に向け、イラストレーターの確定申告がギリギリになる際に生じるリスクを解説します。

イラスト販売をしていて所得（売上－経費）が年間20万円もしくは48万円を超えると、確定申告をしなければなりません。

確定申告は毎年2月16日頃から3月15日頃の時期に行われ、期限ギリギリまで先延ばしにしていると不備も発生しやすいので注意しましょう。

イラストレーターとして利益を得だしたら確定申告から逃れることはほぼ無理なので、余裕を持って早めに確定申告の準備をすることを強くおすすめします。

本記事では、イラストレーターの確定申告がギリギリになる場合のリスクや遅れた際のペナルティについて解説します。

イラストレーターの確定申告がギリギリになる場合のリスク

個人で働くイラストレーターにとって、確定申告は避けて通れない年に一度の重要な手続きです。

しかし、日々の仕事や雑務に追われていて「まだ大丈夫」と後回しにしているうちに、気づけば提出期限ギリギリ……という方も少なくありません。

確定申告が期限ギリギリになってしまう際に生じるリスクは、主に以下の通りです。

それぞれ詳しく解説していきます。

申告ミスや書類の不備が発生しやすい

確定申告の期限が迫る中、焦って作業を進めると、入力ミスや計算ミス、書類の添付漏れなどが起きやすくなります。

具体的には、以下のようなミスが起きる恐れもあるでしょう。

上記のようなミスをしてしまうと、納めるべき税額が変わり、税務署から指摘を受ける可能性もあります。

一方、所得控除や領収書に漏れがあり、税金を多く納めたとしても税務署から連絡が来ることはなく、損をしてしまうこともあるでしょう。

e-Taxの設定が上手く行かず提出期限に間に合わない場合がある

確定申告を期限ギリギリにしようとすると、e-Taxの設定に手間取ってしまい、期限に間に合わない恐れがあります。

電子申告（e-Tax）は便利な反面、初めて利用する場合は事前準備が必要です。

私も数年前に確定申告をe-Taxで初めてしたとき、連携が上手くいかず、結局その日に確定申告を終えることはできませんでした。

幸い、私が確定申告したときには期限に余裕が合ったので、翌日に無事連携でき提出できました。

税務署の窓口が大変混み合いストレスが溜まる

e-Taxではなく窓口提出する場合でも、確定申告の期限ギリギリは窓口が非常に混み合います。

コロナ禍以降は整理券方式を採用している税務署も多いので、ご注意ください

また、整理券を無事もらえたとしても窓口が混んでいることには変わりがないため、1人あたりに割いてもらえる時間も非常に少ないはずです。

質問に満足に答えてもらえない恐れもありますし、流れ作業で確定申告書を提出することになり不備に気付いてもらえない恐れもあります。

私は行列に並ぶのが苦手なので、確定申告シーズンの税務署を外から眺めるたびに「何で嬉しくもないのに並んでこんな……」と思ってしまいます。

還付金が振り込まれるまでに時間がかかる

確定申告書を期限ギリギリに提出すると、還付金が振り込まれるまでにも時間がかかってしまいます。

イラストレーターとして個人で活動しており、企業相手に仕事をしていると報酬の一部が源泉徴収されることがあります。

源泉徴収分が本来納めるべき所得税より多い場合、確定申告後に還付金として受け取れます。

確定申告書の確認や還付金の振込処理も税務署の職員が行うため、期限ギリギリに提出すると1ヶ月以上かかることも珍しくありません。

一方、2月中に提出2月中に提出した人は1〜2週間で還付されることもあります。

余談ですが「源泉徴収分＞所得税額」であり、還付金を受け取れる場合には、2月16日から3月15日の確定申告期間より前に申告書を提出可能です。

「やらなきゃ」という不安・ストレスがずっとつきまとう

確定申告を期限ギリギリまでやらずに先延ばしにしていると、「まだ手をつけていない」「そろそろやらなきゃ」といった漠然とした不安がつきまといます。

仕事や日常のタスクに集中しづらくなったり、休日も心からリラックスできなかったりと、精神的な負担が大きくなることもあるでしょう。

確定申告を早めに済ませておけば、余裕を持って年度末を迎えることができます。

確定申告の期限はいつからいつまで？

イラストレーターなどの個人事業主の確定申告期間は、原則として「毎年2月16日から3月15日まで」です。

提出方法には、以下の3つの方法があります。

いずれの方法にせよ、期限に余裕を持って確定申告を行いましょう！

イラストレーターが確定申告の期限に遅れるとどうなる？

イラストレーターが確定申告の期限に遅れると、以下のような問題が発生するのでご注意ください。

それぞれ詳しく解説していきます。

追徴課税が科せられる

確定申告の期限（原則として3月15日）を過ぎても申告を行わないと「無申告加算税」や「延滞税」などの追徴課税が科せられる可能性があります。

無申告加算税	期限内に申告をしなかった場合に科せられる罰則的な税金
延滞税	納めるべき税金の支払いが遅れた場合に発生する税金

延滞税は納税期限から2ヶ月を過ぎると税率が上がりますし、無申告加算税は税務署に指摘を受けてから申告すると税率が上がるのでご注意ください。

青色申告特別控除を適用できなくなる

個人で働くイラストレーターの中には、節税効果の高い「青色申告」を選択している人も多いでしょう。

しかし、青色申告には「期限内に確定申告書を提出する」という要件があるため、期限に遅れると控除が適用されなくなる場合があります。

確定申告をしないでいると、青色申告特別控除を適用できず税負担が重くなるのでご注意ください。

イラストレーターが余裕を持って確定申告を行うコツ

イラストレーターに限らないことですが、確定申告は余裕を持って行うことが大切です。

具体的には、下記のように工夫して確定申告を計画的に行いましょう。

それぞれ詳しく解説していきます。

クラウド会計を利用する

確定申告をできるだけ楽に済ませたいのであれば、クラウド会計を利用するのが確実です。

クラウド会計を利用すれば銀行口座やクレジットカードと紐づけ自動仕訳をしてもらうこともできますし、質問に回答するだけで確定申告書を作成できます。

クラウド会計にはいくつかありますが、イラストレーターにおすすめのものは、以下の通りです。

クラウド会計	特徴
やよいの青色申告オンライン	最大1年間の無料体験が可能！ クラウド会計の利用料金を抑えたい方におすすめ
マネーフォワードクラウド確定申告	クラウドワークスなどイラストレーターが利用するサービスとの連携機能が豊富
freee	簿記・会計の知識がなくても操作しやすいシンプルな機能が魅力

普段から領収書を整理しておく

確定申告シーズンに1年分の領収書を整理しようとすると、非常に時間がかかります。

このような事態を避けるためにも、普段から領収書を整理しておくことが大切です。

私の場合は月に1度、領収書を整理し仕訳処理をするようにしています。

請求書を送付し仕訳するタイミングで領収書も確認し、ファイルにしまうのが習慣です。

所得控除に関する書類をひとまとめにしておく

確定申告では経費を申告するだけでなく、医療費控除や生命保険料控除などの所得控除も様々なものがあります。

これらの所得控除を申告する際には控除額がわかる書類を用意しなければならないので、事前に準備しておくことをおすすめします。

私は確定申告で使用するこれらの書類は、領収書とは別にファイルに保管しています。

e-Taxとスマホの連携は早めに済ませておく

e-Taxで確定申告をしたいのであれば、e-Taxとスマホの連携を早めにしておきましょう。

「期限前に一気にやればいいや」と思って後回しにしてしまうと、申告期間中にトラブルが起きた際、期限に間に合わなくなってしまいます。

特に、以下のようなケースでは早めにスマホとe-Taxの連携を済ませておくと安心です。

確定申告がギリギリになってしまうイラストレーターによくある質問

最後に、確定申告が期限ギリギリになってしまうときによくある質問を回答と共に紹介していきます。

個人でイラストを販売した場合には住民税がかかりますか？

かかります。

イラストを自分で描いてネット販売した場合や、イベントでの直接販売などで収入があった場合、「事業所得」あるいは「雑所得」として扱われ、所得税だけでなく住民税の課税対象にもなります。

イラストレーターが開業届を提出するタイミングはいつが良いですか？

開業届は、イラストレーターとして継続的に収入を得る予定が立ったタイミングで提出するのがベストです。

法律上は「開業から1ヶ月以内」が原則ですが、遅れて提出したからといって罰則があるわけではありません。

ただし、開業届を提出すると配偶者の扶養を外れてしまう恐れもあるので、個々のケースに併せて慎重に判断すべきです。

▶主婦イラストレーターの扶養について詳しくはコチラ

個人事業主としてイラストレーターをしている場合は確定申告が必要ですか？

個人でイラストレータとして活動している場合、所得（売上−経費）が20万円もしくは48万円を超えたら確定申告をしなければなりません。

副業イラストレーターの場合は所得が20万円を超えたら確定申告をし、専業主婦や専業イラストレーターの場合は所得が48万円を超えたら確定申告をしなければなりません。

▶イラストレーターが確定申告をする流れについて詳しくはコチラ

【まとめ】年が明けたら確定申告の準備を始めるのがおすすめです

確定申告は毎年2月16日頃から3月15日頃までの間に行う必要があり、緊急事態などで確定申告をしなくて良くなるケースは考えにくいでしょう。

どうせやらなくてはいけないことなので慌てなくて済むように、早めに準備しておくと安心です。

確定申告を楽に済ませたいのであれば、クラウド会計を導入すると良いでしょう。

クラウド会計にはいくつか種類がありますが、イラストレーターにおすすめのものは、以下の通りです。

クラウド会計	特徴
やよいの青色申告オンライン	最大1年間の無料体験が可能！ クラウド会計の利用料金を抑えたい方におすすめ
マネーフォワードクラウド確定申告	クラウドワークスなどイラストレーターが利用するサービスとの連携機能が豊富
freee	簿記・会計の知識がなくても操作しやすいシンプルな機能が魅力

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